むずむず脚症候群
むずむず脚症候群とは、脚の皮膚の下で何かが這っているような不快感や痛みその他の異常感覚を覚え、脚を動かしたいという衝動に駆られたり、無意識に脚がピクピク動いたりする疾患です。また、「周期性四肢運動障害」と呼ばれる、睡眠時に脚が痙攣を起こす症状が見られることもあります。
身体が自分の思い通りにならない状況は想像するだに辛いですが、むずむず脚症候群による影響はこれらに留まらず、不快感のため不眠になり、生活の質の低下にまで及ぶことがあります。さらに、うつ病や不安障害を併発することも多く、まさに心身の健康が阻害された状況になりがちです。
なお医学的には、この疾患の原因はカフェインの過剰摂取、睡眠時無呼吸症候群、栄養不足(鉄分、葉酸)、ミネラル(電解質)の不均整、薬の副作用などとされています。
検査
- 睡眠時無呼吸症候群の検査(睡眠が妨げられるなど、睡眠の質に低下が見られる場合)
- 血液検査(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ビタミンD濃度)
- 血液検査(ビタミンB12、葉酸、鉄分<フェリチンの検査を含む>)、貧血症状の有無
簡単な解消法
上述の検査を受けた上、複数の結果が思わしくない場合には、今まで隠れていた原因について医師に相談することが大切です。また日常生活では、症状の軽減のために以下を実行すると良いでしょう。
- ウォーキングをする:たとえ夜でも、家の周りを軽くウォーキングすると脚の症状が和らぐ。
- カフェイン飲料の摂取や喫煙を控える:コーヒー、紅茶、チョコレートなどのカフェインが含まれる飲食物やニコチンの摂取を控える。
- 服用薬を確かめる:アレルギー薬や風邪薬、処方薬などの服用により、むずむず脚症候群が引き起こされることがある。これらが原因で症状が発生または悪化していると考えられる場合には、薬を処方した薬剤師に相談してみると良い。
- 脚を温める:就寝前に脚をマッサージしたり、エプソムソルトを入れて入浴すると、身体がほぐれ、症状が軽減される。
- 脚を冷やす:脚を温めても症状が軽減しない場合には、冷やしたタオルを脚にあててみると良い。
- 規則正しい生活を送る:毎日の就寝時間を一定に保ち、就寝前には心身を刺激しないように気を付ける。特に就寝前30分間は心身を落ち着かせるように心掛ける。
- 軽度の運動をする:ウォーキングや膝の屈伸運動など、激しい動きを伴わない軽度の運動は、筋肉の緊張をほぐすのに役立つ。
- ストレッチを行う:就寝前に腰部、臀部、ふくらはぎ、ハムストリングスの筋肉を中心に5~10分間のストレッチを行う。
まとめ:
むずむず脚症候群の原因となる栄養不足や服用薬などの問題にまず対処し、次に今回お伝えした解消法をいくつか実行してみましょう。脚の緊張感がほぐれ、睡眠の質が向上するなどの変化が感じられるはずです。
知って安心!
耳寄り情報
姿勢改善のコツ
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1.猫背にならないように気をつけましょう。胸を張り、あごを引いて、うつむかず、常に良い姿勢を維持することを意識しながら行動しましょう。
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2.頭を糸で天井に向かって引っ張られているイメージを持つことにより、正しい姿勢が作りやすくなります。
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3.長時間座って仕事をする方は、時々立ち上がり、ストレッチをしたり、手足を振りましょう。
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4.体幹トレーニングを日課として取り入れましょう。体幹を鍛えることで、正しい姿勢を維持しやすくなります。
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5.人間工学設計の枕や固めのマットレスは、寝ている間にも良い姿勢を保つ上で役立ちます。
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