ビタミンB12
人は老化とともにビタミンB12が欠乏しやすくなる傾向があることが分かっています。私たちの身体はビタミンB12なしでは適切に機能しないため、これは認識しておくべき重要な事実の1つです。また、いったんビタミンB12が不足すると、永続的に健康に悪影響が及ぼされる可能性があるため、これを未然に防ぐよう努めることが大切です。ビタミンB12不足が原因で発生する症状には、次のようなものがあります。
ビタミンB12欠乏症の症状:
- 手足の無感覚や痺れ
- 不眠症
- 記憶喪失
- めまい
- バランスの欠落
- うつ病
- 消化器系疾患
- 眼疾患
- 頭痛
- 舌炎
- 神経障害
- 耳鳴り
2008年に発行された『Journal of Neurology』(ジャーナル・オブ・ニューロロジー)では、ビタミンB12の体内濃度が最も低い被験者グループが認知症を最も多く発症しており、脳の大きさ(脳体積)も平均より小さい傾向にあったと報告されました。私たちの身体には小さくなって欲しくない部分がいくつかありますが、多くの人にとって、脳はそのうちの1つです。また、この研究結果は、体内のビタミンB12濃度を高め「脳を保護する」ためには、ビタミンB12のサプリメント剤の摂取が効果的であることも意味しています。
私たちは、誰もがビタミンB12欠乏症を発症するリスクを抱えていることを認識すべきです。特に、菜食主義の人、(胃酸逆流の治療のため)胃酸分泌抑制薬を服用中の人、胃疾患、下痢、過敏性腸症候群を発症している人、セリアック病または炎症性腸疾患(クローン病または大腸炎)を発症している人は、注意が必要です。
さらに、50%以上の人が、老化に伴う胃酸分泌量の低下により、若い頃ほどビタミンB12を吸収できなくなります。したがって、たとえ肉を食べ、消化管を健康に維持し、胃酸分泌抑制薬を服用していない場合でも、ビタミンB12が欠乏する可能性はあります。
まとめ
私の患者さんの中にも、ビタミンB12が不足しがちな人が多くいます。そのため、私は定期的に患者さんの「平均赤血球容積(MCV)」すなわち赤血球の大きさを測定し、その値が90以上の場合には、ビタミンB12不足の可能性を考慮します。
また、患者さんには、一般に正常とされる値よりも良い値を目標とするようお伝えしています。この理由は、検査の結果「正常」だとされた場合でも、残念ながら、疲れや早期老化が見られることがあるからです。今までに、ビタミンB12濃度の検査を受け、医師に測定値が正常範囲内にあると言われた人も、その判断基準について再度確認したほうが良いかもしれません。
ご自身に備わった遺伝的な能力を最大限に生かし、健康的な食生活、定期的な運動、ストレスの管理、高品質サプリメント剤の摂取を行うことで、暦年齢ではなく生物学的な年齢を低く保つように努め、出きる限り長きにわたって若々しさを維持しましょう。
知って安心!
耳寄り情報
姿勢改善のコツ
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1.猫背にならないように気をつけましょう。胸を張り、あごを引いて、うつむかず、常に良い姿勢を維持することを意識しながら行動しましょう。
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2.頭を糸で天井に向かって引っ張られているイメージを持つことにより、正しい姿勢が作りやすくなります。
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3.長時間座って仕事をする方は、時々立ち上がり、ストレッチをしたり、手足を振りましょう。
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4.体幹トレーニングを日課として取り入れましょう。体幹を鍛えることで、正しい姿勢を維持しやすくなります。
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5.人間工学設計の枕や固めのマットレスは、寝ている間にも良い姿勢を保つ上で役立ちます。
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