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潰瘍(かいよう)

潰瘍とは、消化管の組織が融解されて発生する、炎症と痛みを伴う疾患です。症状は、胃や腸などの発症箇所により異なります。潰瘍が最も発生しやすい部分は、小腸の上部に位置し、胃と小腸の間にある「十二指腸」と呼ばれる消化器管です。また、潰瘍は、胃粘膜、食道に加え、大腸全体に発生することもあります。潰瘍が発生すると、その発生箇所により、喉の下部からみぞおちにわたるいずれかの部分に、燃えるような激しい痛みを伴います。

各種潰瘍の痛みの特徴は、次の通りです。

  • 食道潰瘍:一部の食物や飲料の摂取時に、喉から胸骨部にかけて痛みを生じる
  • 胃潰瘍:一部の食物や飲物の摂取時に、腹部の右側に痛みを生じる
  • 十二指腸潰瘍:食後1~2時間後に、胃と小腸の間に痛みを生じる

その他の症状:

  • 吐き気、嘔吐
  • 腹部の痛みを感じ、深夜に目が覚める
  • 腹部を触ったときに、敏感または柔らかく感じる
  • 血便(黒い便)が出る
  • 食物を摂取すると痛みが緩和されるが、食後に腹痛や不快感が生じる
  • 意図していない体重の減少
  • 曖気(ゲップ)、吃逆(しゃっくり)

原因

これまで長い間、潰瘍の原因は、ストレスや酸性食品の摂取であると考えられてきました。確かに、これらは潰瘍を悪化させる原因ですが、近年、新たな原因としてヘリコバクター·ピロリ(ピロリ菌)が見つかりました。

驚くべきことに、ピロリ菌は多くの人の体内に存在している細菌です。ピロリ菌によって胃腸の保護層が損傷し、柔らかい組織が露出して、酸とピロリ菌が共に細胞を侵食するようになり潰瘍が発症します。さらに、この細菌は、身体が分泌する酸の濃度を上昇させ、潰瘍の症状を更に悪化させるのです。

米国を初めとする世界各国には、多数のピロリ菌保持者が存在しています。米国では、50歳以上の人の約50%が、この細菌に感染していると言われており、第三世界の国々では感染率が更に高まります。ピロリ菌は、食物や飲物の摂取により感染すると考えられており、また感染者の唾液からも感染する可能性があります。しかし残念ながら、ピロリ菌は近年の研究により発見されたものであり、感染原因はまだ完全に明らかにはなっておらず、予防方法は確立されていません。しかし、ピロリ菌の保持者全員が潰瘍を発症する訳ではありません。

その他、潰瘍の主な発症原因には、一部の食物や飲物の摂取、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)の服用、喫煙、慢性的な重度のストレス、アルコール中毒症などがあります。これら全ての原因が、消化器系の酸の濃度の上昇と潰瘍の発症リスクの上昇に繋がります。

潰瘍を発症している場合には、次の食物と飲物の摂取が腹部の痛みを引き起こす可能性があります。

  • (通常またはカフェインレスの)コーヒー
  • お茶
  • チョコレート
  • 肉類
  • アルコール類
  • 炭酸飲料、カフェイン入り飲料
  • 黒コショウ、唐辛子、ナツメグなどの香辛料
  • 牛乳

喫煙や飲酒は、潰瘍の症状を悪化させることがあります。喫煙時には、胃がニコチンを処理するために、より多くの酸を分泌するからです。また、長期に渡る慢性的な飲酒は、胃や腸壁を損傷し続けます。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)には、「イブプロフェン」や「アスピリン」などの薬品があります。関節炎の治療などのために、これらの薬品を定常的に服用している場合には、軟組織壁の保護層が破壊される可能性があります。

以前から潰瘍の原因とされてきた「ストレス」については、近年、重度の心身のストレスが、潰瘍の直接の原因となることが分かりました。ストレスにより食欲がない状態は、胃酸が蓄積され、胃壁の損傷に繋がる可能性があるのです。なお、精神的なストレスと潰瘍に関する研究は現在も続けられています。

潰瘍の予防・治療方法

最も一般的な潰瘍の痛みの緩和方法は、制酸剤や処方薬の服用です。しかし、これらの薬品は、一時的な症状の緩和には役立つとしても、潰瘍を治癒することはありません。

潰瘍を治癒する最善の方法は、予防と回避です。たとえば、食物アレルギーの検査キットを使い、アレルギー反応を引き起こす食物を特定した上、それらの摂取を避けるようにしましょう。喫煙、飲酒やカフェインを含む飲物の摂取も控えましょう。さらに、可能であれば、非ステロイド性抗炎症薬の服用も控えましょう。

ストレスは、炎症の促進、罹患率の上昇、疲労、集中力の低下など、身体に多くの悪影響を及ぼします。生活の質を向上し、長く健やかな人生を送るための強固な土台を固めるには、ストレスに対処することが大切です。

インターネットで使用できるストレス解消ツールなどを使用して、積極的にストレス管理計画を立ててみましょう。このようなツールは、ご自身の健康を阻害し、生活の質を低下させる、日常生活では気づかないようなストレスを発見するのに役立ちます。また、ストレス管理計画作成のためのヒントなども提供されています。

食生活において、食物繊維を取り入れることも大切です。潰瘍を発症している人は、食物繊維の摂取を控えるのではなく、食物繊維を豊富に含む食生活を送る方が良いことが分かっています。食物繊維を豊富に含む食物には、干しエンドウ、ヒラマメ、ラズベリー、ブロッコリー、全粒小麦を使用した製品などがあります。日常生活において、1日に必要な量の野菜や豆類を摂取していない場合には、食物繊維のサプリメント剤の摂取をお考えになってみてください。特に、オオバコ、グアーガム、ペクチンなどに含まれる食物繊維は、治癒の過程を促進するのに役立ちます。

潰瘍による痛みの原因となる食物を既に控えており、他の治療法を探している場合には、体内の酸化を控える効果があるアルカリ性食事療法をお考えになってみると良いでしょう。アルカリ性食事療法には、消化器系を落ち着かせる効果がある食物が含まれています。

潰瘍が発生している場合には、水分を十分に補給することも大切です。きれいな水は、胃液を希釈し、体内に蓄積された毒素や汚染物質を取り除くのに役立ちます。

まとめ

潰瘍は、消化器管のいずれの場所にも発生する可能性がある疾患で、食道、胃、十二指腸の粘膜がただれ、内壁がえぐられる症状を伴うことがあります。また、近年は、潰瘍の新たな原因として、胃の内部の酸濃度を高め、内壁を損傷するピロリ菌という細菌が指摘されています。

潰瘍の他の発症原因には、喫煙、飲酒、長期に渡る断食、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、水分不足などがあります。潰瘍が発生している場合には、痛みの原因となっている食物や飲物を控えるようにしましょう。また、食物繊維を豊富に含む食生活を送るとともに、慢性的なストレスや水分不足の状態が発生しないように気をつけることが、潰瘍の予防に繋がります。

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